一倉定のマネをして社長を叱るコンサルタントは実力がない

クライアントの社長に対して偉そうな態度のコンサルタントがいます。

上から目線で叱ったり、キレて怒鳴りつける人間もいます。

この手のコンサルタントと契約していても会社が伸びることはないので、さっさと契約を解除したほうが良いでしょう。

おそらく彼らは一倉定の影響を受けているのだと思います。

一倉定:伝説のコンサルタント

一倉定といえば日本のコンサルタントの第一人者的な人物で、すでに鬼籍に入っていますが今も経営者の中に根強い信者が多くいます。

何人もの社長を教育し、企業を立て直した、伝説のコンサルタントとも呼ばれる人物です。

そしてこの一倉定は「会社が上手くいかないのは全て社長の責任」と考えていました。

そのため、ダメな社長はクライアントであろうと、容赦なく怒鳴ったのです。

チョークを投げつけたとか、社長が作った資料を目の前で放り投げたとか、後世に語り継がれているのはそういったインパクトのあるエピソードが多いです。

そのため、それを真似て社長を叱ったり怒鳴る痛いコンサルタントが偶にいます。

社長というのは叱られる機会がないので、強く言われるとその新鮮さもあって心酔してしまうこともあるのですが、騙されているだけです。

なぜコンサルタントは偉そうに社長を叱るのか

なぜコンサルタントは顧客の社長に偉そうな態度を取るのでしょうか?

理由は単純です。実力のなさやコンプレックスを隠すためです。

腕を組んで偉そうにしているラーメン屋と同じです。

叱ることで責任を社長になすりつける

経営コンサルタントは弁護士や公認会計士と違って資格も要らないので誰でもなれます。

名乗れば今日からコンサルタントです。しかも誤魔化しの利く仕事です。

適当に市場分析と財務分析をして後は自己啓発のようななことを言っておけばコンサルティングっぽくなります。

しかし業績は改善しないのでいつか無能さがバレます。そこで社長を叱ることで、業績が伸びない責任を擦りつけるのです。

叱ったり怒鳴ったりすることにはもう一つのメリットがあります。それは「客にそういう態度を取れるということは凄い人間なんだ」と勝手に勘違いしてもらえることです。

この手の客に対する偉そうなスタンスは何十年も前に流行った心理テクニックです。

社長は叱りやすい存在

経営コンサルタントの仕事をしていれば分かりmすが社長を叱るのが一番簡単です。依頼してきたのは本人なので何でも言いやすいからです。

反対に言いにくいのが社員です。私もクライアントの反抗的な社員を泣かせてしまうこともありますし、「このままこの社員を辞めさせたら何円のコスト削減になるだろうか」という計算くらいはします。

しかし、それと同時に心配していることもあります。他の優秀な社員のことです。

私が反抗的な社員を詰めているのを見て、優秀な社員がやる気を失ってしまわないだろうか、退職されないだろうかという心配はします。

社長は強い存在と認識されているので、強めに意見を言っても社員は「ザマァ見ろ」と思っていることさえありますし、社長が辞める心配はないので言いやすいのです。

それでも社員のいる前で社長の立場を貶めるようなことはしませんが。

何が言いたいかというと、社長を叱るのが最も簡単なのですから、社長を叱るコンサルタントが凄いワケではないということです。

なぜ社長はコンサルタントに騙されるのか?

自分で会社を作った優秀な起業家がなぜ無能なコンサルタントに怒られて言うことを聞いてしまうのでしょうか?

それは素直だからです。これは起業家の強みであると同時に弱みでもあります。

成功する起業家の多くに共通する特徴の一つは専門家の意見を素直に受け入れるということです。

意見を素直に聞いてすぐに実践できるから成功したともいえます。

しかし「本当の専門家」と「なんちゃって専門家」を見誤ることもあります。特に不安を抱えているときは起業家の直感も鈍るので騙されやすいのです。

コンサルタントはなんちゃって専門家のほうが多いですが、コンサルタントに依頼するときはトラブルが発生し焦っていることが多いため、簡単に騙されるのです。

社長は教祖を崇めるな!

私が一倉定を知ったのは彼が「社長の教祖」と呼ばれていたからです。

私は宗教は大嫌いですが、なぜ人が宗教に騙されるのかには非常に興味があります。宗教こそ最強の集金システムだからです。

なので宗教やカルトについてはとても熱心に研究しています。その流れで「社長の教祖」という言葉から一倉定を知ったのです。

本人hがどういう売り出し方をしていたのかは知りませんが、経営指導のやり方として社長を怒鳴りつけて断言するというのは素晴らしいやり方だと思います。

人間というのは言い切ってくれる人間に心酔します。たとえ社長であってもこれは変わりません。だからコンサルタントの印象操作としては非常に効果的です。

話が逸れましたが経営者というのはコンサルタントや占い師、宗教家といった人間を教祖のように崇めてしまう人間が決して少なくはありません。

孤独感や不安感を抱きやすい立場なので仕方のないことなのですが、気を付けたほうが良いでしょう。

経営者の抱える不安はみんな同じようなもの

経営者が抱えている不安というのはだいたい共通しているものです。コンサルタントになって5人も社長の相手をすればすぐに分かります。

そして何を言えば不安を煽ることができ、どう接すれば自分を信用させることができるかも手に取るように分かります。

どんなに無能なコンサルタントでもこれだけは分かるのです。なので騙されてはいけません。教祖のように崇めた瞬間から財布の紐が緩くなります。

勘違いしてはいけないのです。あなたを怒鳴っているコンサルタントは自分の無能さを隠しているだけなのです。

私は性格が悪いだけ

この記事を読んでいる私のクライアントは「お前も態度が悪いだろう」と思ったでしょう。

確かにその通りですが私の態度が悪いのは単に性格が悪いからだと思います。

困っている経営者のところに行って「俺様が来てやったんだから金を払え」という商売をしている人間の性格が良いワケないのです。

しかし、キレキャラで売ろうなどという痛い思考は一切持っていません。

ありがたいことにそんな面倒なことをしなくても依頼は来ます。今は新規の受付を停止しているくらいです。

むしろ経営者に対してはかなり優しい対応をしているのではないかと自分では思っています。

なのでぜひ教祖として崇めてお布施を納めてほしいと思います。

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