「そんなに儲かるなら自分がやればいい」への反論!経営コンサルタントがいつも言うこと

経営コンサルティングの仕事をしていると「そんなに儲かるなら自分でやればいいのでは?」と言われることがあります。

もしあなたがこのようなセリフを言ってしまっているなら気をつけましょう。

頭が悪いと思われますし、悪徳なコンサルタントなら簡単に騙せると思われターゲットにされてしまいます。

「私の仕事より儲かるとは一言も言ってませんよ」

経営コンサルティングの依頼を受けるとどのようなプランで業務改善や売上拡大を目指すのかという説明をクライアントにします。

このときに「そんなに儲かるんだったら自分でやればいいじゃないか」とドヤ顔で言ってくる人がいます。

偏見かもしれませんが、長年勤めている年配の男性に多い気がします。契約締結前の打ち合わせ段階では社長が言ってくることもあります。

こう言われたときの私の返答はたいてい決まっていて「私の仕事より儲かるとは一言も言ってませんよ」です。

勘違いされがちな経営コンサルティング

勘違いされがちなのですが、経営コンサルティングというのは「世界で最も儲かる方法」を教えることではありません。

経営コンサルティングとは「クライアント企業が置かれている環境で最も儲かるであろう方法」を教え支援することです。

この2つは似ているようで全く違います。

例えば温泉旅館のコンサルティングを行うとします。旅館なので建物と従業員が存在します。財務面では借金があるかもしれません。

コンサルティングを依頼するというのは「この状況の中で最も儲かる方法を教えてくれ」ということなのです。

ですから、まだ何のビジネスも始めていないクライアントから「何が儲かりますか?」と聞かれたら「温泉旅館です」とは答えません。

「経営コンサルティングです」と答える可能性が高いです。リスクとリターンのバランスを考えたときに最も効率的に儲かるビジネスの一つが経営コンサルティングだと思ってこの仕事をしているからです。

ウサイン・ボルトに「安い靴で走れ」と言うのか?

言い方は悪いですが、建物や従業員というのはときに企業経営のマイナス要因となります。どちらも維持するコストが掛かるからです。

つまり、そのようなハンディキャップのある中で儲かる方法を聞かれたことに対して、経営コンサルタントは答えているのです。

例え話ですが、安いスパイクしか持っていない少年が陸上選手のウサイン・ボルトに速く走るにはどうすれば良いか聞いたとします。

そこでボルトが少年の持っているスパイクで早く走るのに最適な方法を教えたとします。

このときその少年が「そんなに早く走れるというならあなたも僕と同じスパイクで走ればいいじゃないか」と言ったらおかしいです。

経営コンサルタントに対して「そんなに儲かるなら自分でやればいいじゃないか」と言うのはこれと同じことなのです。

投資セミナーで「そんなに儲かるなら自分がやればいい」は言ってもOK

「そんなに儲かるなら自分がやればいい」と言って良い相手もいます。

例えば投資セミナーの講師などに対してはこのセリフを言っても矛盾しません。

なぜなら本当の投資のプロなら、他人に教える時間も自分で投資しているほうが儲かるからです。

それに投資の利益にかかる税金はどれだけ儲けても約20%ですが、セミナーや情報商材を売って得た利益にかかる税金は累進課税により最高で約55%となります。

わざわざお金が減るようなことをするのはおかしいです。

理想論を語る経営コンサルタントに注意

「そんなに儲かるなら自分がやればいい」と言われたときに多くのコンサルタントは私と同じような説明をすると思います。それが真実ですし論理的にも間違っていないからです。

しかし、中には理想論を語るコンサルタントもいます。

「お金儲けのためにやっているのではなく社会を良くするためにやっている」とか「頑張っている企業を応援したい」とか寝言をほざくのです。

この手のコンサルタントに依頼するのはおすすめしません。

コンサルティングの中身も自己啓発のような抽象的なことばかりで具体性に欠け結果に結びつかないからです。

ターゲットにされるかも

さらに注意しなければならないのが「そんなに儲かるなら自分がやればいい」と言われたときに「おっしゃる通りです」と答えるコンサルタントです。

冒頭でも少し触れましたがターゲットにしようとしています。

「そんなに儲かるなら自分がやればいい」と言ってしまうタイプの人間は社長でも従業員でもコンサルタントからすると扱いやすいのです。

社長であれば「こんなことが言える自分はすごい視点を持っている」と思っていますから、虚栄心をくすぐってやれば簡単に転がせます。コンサルティング料をボッタくるのも簡単です。

従業員であれば調子に乗りすぎて引っ込みがつかなくなるタイプですから、うまく誘導して「つまり会社をやめるということですね」と追い込めば自己都合で退職させることができます。

企業再生で最も利益に結び付くテクニックは従業員の解雇です。人件費が全て利益に変換されるのですからこんなに財務が改善される施策はありません。

コストカット型のコンサルタントに目をつけられないようにくれぐれも注意しましょう。

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