直感は当たる!会社経営のセンスを鈍らせるな

経営者としてこれからも成功し続けたいなら今回の記事は最後まで読んでおいたほうが良いと思います。

私が経営コンサルティングをする中で、社長なら絶対に知っておくべきと思うことを書いておきます。

他の記事で主張している多くの内容もこの考えが根底にあるものが多いです。

脳を大切にしないと経営判断を間違える

私のクライアントの多くは起業家です。つまり、雇われではなく自分で会社を創業した社長です。

彼らによく「脳を大切にしてください」と言っています。

おそらく「また言ってやがる」と心の中では思われているのでしょう。最近ではライム読みされて先に言われることさえあります。

ですが、全ての社長が持つべき重要な習慣の一つが「脳を大切にする」ということなのです。ですから、これからもしつこいほどに言い続けます。

脳を大切にするとは簡単にいえば、脳にネガティブな刺激を与えないということです。

なぜならネガティブな刺激は経営者の直感(勘)を鈍らせ、経営判断を誤らせるからです。

反対にポジティブな情報や体験は直感を磨いてくれます。

脳に与えられる情報によって直感が磨かれたり、鈍くなったりすることは様々な研究で判明していますし、私がクライアントの社長を見ていてもよく分かります。

なぜ社長の直感は当たるのか?

雇われ社長は別ですが、創業社長に必要なものはセンスです。これは直感(勘)ともいえます。

起業して成功している人間は直感が優れているタイプが多いです。というより勘所がズレていないから成功したのです。

経営におけるセンスとは何か?

経営におけるセンスとは何か簡単に説明しておきましょう。

例えば、新しい商売を考えるときにそれが儲かるかどうかを直感的に感じ取れる勘です。

また、儲かると判断すると同時に、どのように進めれば最も利益が出るか勝手に思いつくのも経営センスです。

何かの情報を知ったときに、「こんなビジネスがあれば儲かる」と正しい商売が思いつくのもセンスです。

言語化しなくともイメージとして頭の中に浮かび上がってくるものなのです。

これらのセンスは生まれ持ったものと、環境や経験によるものの両方から作られます。

直感で決めても、熟考してから決めても結果は変わらない

周りの社長を見ているとセンスは生まれ持ったものが大きいような気はしますが、そのメンテナンスのためには経験の質も重要です。

なぜなら経験したことは自分が覚えていなかったとしても、脳内にデータとして蓄積されるからです。

会社経営をしている人間なら直感が当たったという経験を何度もしていると思います。

これは無意識に脳に溜まったデータが勝手に判断しているからです。

例えば初対面の時から怪しい雰囲気を感じていたら詐欺師だったということがあります。

これは過去に同じようなタイプと出会ったときの、喋り方や顔の微表情といった意識はしていないけれど脳には記録されているデータがあるからです。

脳がそれらの過去のデータと照合して「ヤバい奴だ」と判断し、警告信号を送っているのです。それが直感なのです。

「このビジネスは失敗するかもしれない」という勘が当たるのも、脳が勝手に過去のデータを照合してくれているからです。それは自分の失敗経験かもしれませんし、知り合いの社長から聞いた失敗談かもしれません。

選択についての研究は複数行われていますが、何かを選ぶときに直感で判断しても、熟考してから判断してもほとんど結果は変わらないことが分かっています。直感は正しいのです。

直感を鈍らせるもの

ここまでの説明でなぜ「脳を大切にしろ」と口うるさく言うのか分かったと思います。

脳にどのような刺激を与えるかによって「直感」の質が変わるからなのです。

直感を磨くのは難しいですが、直感が鈍るのはあっという間です。

経営者の直感を鈍らせる主なものを2つ紹介しますので絶対に避けてください。

【直感を鈍らせるモノ1】ネガティブな空気を持つ人間

人間の脳は無意識に一緒にいる相手の影響を受けます。

いつもネガティブな言葉や雰囲気を発している人間と一緒にいれば、それが無意識のデータとして蓄積されます。するとどうなるでしょう?

直感が鈍るのです。

ダメな人間から学習したデータを基にアウトプットするのですから当然です。

経営者がいつも一緒にいる相手といえば、家族、恋人、友達、愛人、社員でしょう。この中に脳にゴミデータを刷り込んでくる人間がいないか見直してください。

最近、センスないなと思っていたらしょうもない連中と飲みに行くようになったり、安っぽい愛人を作っていたという社長は意外と多いものです。

一緒にいる人間から受ける影響を侮ってはいけないのです。直感は簡単に錆びます。

「愛人を作っても良いですがさげまんはやめましょう」と言うのもこのためです。

【直感を鈍らせるモノ2】ネット上にある負け組の意見

経営者の中にもヤフーニュースのコメント欄を見ている人間がいます。しかもそれを真に受けることもあります。

よくもあんな負け組の巣窟のような場所の閲覧に時間を割くものだと不思議に思います。(そもそもヤフーニュースがニュースだと思ってる経営者がいたらその感覚から改めるべきです)

個人の趣味というなら何も言わないところなのですが、実はこの行動も直感を鈍らせます。

そもそも金になるわけでもなければ、宣伝になるわけでもないのに匿名でネットニュースに意見を書くのは、現実世界では意見を求められないくらい無能な人間という何よりの証拠です。

そういった無能が書いた文章を見ることでも勘所は鈍るのです。ヤフーニュースに限らずSNSの匿名コメントを真剣に読むような愚かな行動は控えなければなりません。

文章からでもバカはうつることが研究で分かっています。

天才経営者はアーティストと同じ

社長の家に遊びにいくと現代アートが飾ってあることがあります。

私から見たら子供の落書きにしか見えないのですが、その社長は見た瞬間に惚れてしまったといいます。

お金を持っている経営者がアートを購入すると、投資目的や教養人ぶりたいだけなどと批判する人間もいます。

確かにそういう目的で絵画などを所有している人間もいるでしょう。

しかし、成功した起業家の多くは心の底から感動して欲しくて堪らなくなってしまうのです。

つまりお金持ちになる前からそのアートの価値に惹かれる直感を持っているということです。

これもセンスなのです。

余談ですがネット上にあるアート作品を鑑賞するだけでもネガティブな気分と不安を軽減する効果があるとウィーン大学の研究で分かっています。メンタルヘルスのためにも芸術作品はたくさん見るべきです。

参考文献:MacKenzie D. Trupp, et al. (2023). Who benefits from online art viewing, and how: The role of pleasure, meaningfulness, and trait aesthetic responsiveness in computer-based art interventions for well-being.

創業社長に感性についてのアドバイスをしない理由

経営者もアーティスト(芸術家)も同じです。どちらもその思考を言語化することは難しいのです。

天才的なセンスとはそういうものです。

非常に悔しい話ではありますがこれらのセンスは生まれ持ったものがかなり大きいです。

なので私たちのような凡人がどんな経験をしてもその域に達することはできません。普通の起業家にはなれますが上位数%の起業家にはなれないのです。

私が経営コンサルティングをするときも、創業社長に対して本質的な感性についてのアドバイスを一切しないのもこれを理解しているからです。

凡人が天才のセンスを汚染してはいけないのです。変なバイアスを作ってしまわないように経営者に掛ける言葉には非常に注意をしています。

経営者はアーティストという意識を持て

密着ドキュメンタリーなどで、「ちょっと今は」と言ってカメラを遮ろうとするアーティストがいます。

こういった行動は天才っぽく見せたいための演出などではなく、センスを大切にしているからこその行動です。

アーティストはセンスの大切さを理解している人間が多いです。しかし経営者は理解していない人間が多い気がします。

天才経営者であっても側に置く人間や体験によってその直感は簡単に鈍るのです。過去のカリスマ経営者が何人も落ちぶれていることからも明らかです。

経営者は「自分はアーティスト」という意識を持つと、もう少し脳を大切にしようと思えるかもしれません。

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