商品の販売をする小売の経営者であれば日々の売上を少しでも増やしたいと思っているでしょう。
それならコーヒーを振舞うと良いかもしれません。
これは飲食店の話ではなく、雑貨や服などのアイテムを売るお店での話です。
客にコーヒーを飲ませると売上が増えるのです。
客にコーヒーを飲ませると売上が2倍になる
そんなうまい話があるのか?と思うかもしれませんので、サウス・フロリダ大学のディパヤン・ビスワス教授らの実験を紹介します。
この実験ではフランスでインテリアやキッチン用品、日用雑貨を扱う実際の店舗の前に無料のコーヒーステーションを設置し、入店前の客が飲めるようにしておきました。
提供するコーヒーは時間帯によって、カフェイン入りとノンカフェインに分けられました。
そして買物し終わった客にレシートを見せてもらい、購入した商品と金額を確認しました。
その結果、カフェイン入りコーヒーを飲んだ客の平均支出は約27ユーロ、ノンカフェインを飲んだ客の平均支出額は約14ユーロとなり、約2倍の差が出たのです。
商品の購入点数もカフェイン入りの客は2.16個、ノンカフェイン入りの客は1.45個と差がありました。
この実験では水を飲ませた場合との比較や、ネット通販でも同様の効果が生じるのかをテストしていますが、どのパターンでもカフェイン入りコーヒーを飲んだ被験者のほうがより多くの買物をすることが分かっています。
カフェインにより衝動買いしやすくなる
なぜこのような結果になったのでしょうか?
それは興奮が関係しています。
今回の実験では興奮レベルもチェックしていますが、カフェイン入りコーヒーを飲んだ客のほうが興奮度が高いという結果になっているのです。
つまりカフェインが興奮を高め、衝動的な判断をしやすくさせたため、余計なものまで買ってしまったのです。
実際に生活必需品よりも、買わなくても支障のない娯楽品の購入のほうがカフェインの影響を受けやすいことも分かっています。つまり衝動買いしているのです。
コーヒーの効果恐るべし
そういえば輸入食品などを販売しているKALDI(カルディコーヒーファーム)は店頭で無料コーヒーを配っていますが、こういった効果を狙っているのでしょうか?(貰ってそのまま帰ってしまう人が多そうですが…)
あなたのお店もセールやイベントの日だけでもコーヒーを振舞ってみると客寄せにもなるので良いかもしれません。
そしてショッピングモールに出店する際はカフェの近くを狙いましょう。店頭の販売だけではなく、大型の契約をする商談のときもカフェイン入りの飲み物を出しましょう。
反対に自分がAmazonなどでネットショッピングをするときはカフェイン入りのものを飲みながらだと、余計なものまでポチッとしてしまう可能性があるので要注意です。
余談ですが、普段からコーヒーを飲む習慣のある人は香りを嗅ぐだけでも集中力が高まるという研究もあります。
さらにはコーヒーを想像しただけでも同様の効果があるともいわれています。コーヒーの効果恐るべしです。