辞めさせた方がいい社員の性格=ダークテトラッドを持っている

圧倒的な売手市場によって人材獲得が難しくなっています。

そのためダメな社員がいても、なかなか厳しくも言えず、辞めさせるなどとうてい無理という会社もあると思います。

確かにダメ社員でも根気強く教育をしたりサポートをすることで成長を期待できます。

再び採用活動するコストを考えれば教育が最も良い方法です。

しかし、どれだけ言い聞かせても変わらない社員もいます。

このタイプは人手不足であっても辞めさせたほうが良いでしょう。

なぜなら生まれ持った脳がそうなっているので変えようがないからです。

平均的な人間の脳と比べ共感や罪悪感を持つ部位が働きにくいのです。ついでにいうとIQが低いこともあります。

このような社員を置いておくと他の社員へのダメージが大きくなり、組織全体が機能不全に陥ります。

今回は人口の1~3%は存在する特殊な性格傾向を持つ人間について解説します。

ダーク・テトラッドとは?

パーソナリティー心理学の言葉で「ダーク・テトラッド」というものがあります。

日本語にすると「邪悪な4つの性格傾向」といったところです。その名の通り4種類あります。

そしてこの4種類の性格を持つタイプこそが辞めさせたほうが良い社員です。

それぞれについて説明します。

1.ナルシシスト

自分は特別な人間であり称賛されるべき存在という信念を持っています。誇大妄想や支配性の強さもあります。

強烈なナルシシストの見分け方は簡単です。「あなたはナルシシストだと思いますか?」と質問すれば「はい」と答えます。

なぜなら彼らはナルシシストであることを良いことだと思っているからです。

2.マキャヴェリスト

異常なほど利己的な動機を持っています。つまり自分の利益のためなら手段を選ばず、他人から搾取することもいとわないのです。

成功するためには他者をうまく操作することが重要という考えも持っています。

語源は『君主論』を記した思想家のニッコロ・マキャヴェリです。

3.サイコパス(精神病質)

衝動性が強く、反社会的な行動に走りやすいのがサイコパスです。そしてそれに対し罪悪感を持ったり反省することもありません。

またスリルを求める傾向があります。利益がなくとも自分の興奮のために犯罪を起こすこともあります。

ダークテトラッドの中で最も悪意が強いとされています。

4.サディスト(加虐性欲)

他者を肉体的、精神的に攻撃し苦痛を与えることに興奮を覚えるタイプです。

またそういった妄想をすることでも興奮します。SMのSのことです。

部下に高圧的な管理職はこの傾向を持つ人間が多いです。これは社内で性癖を出すというかなりの変態行為です。

社内で下半身を露出しているのと同じことですから辞めさせなければなりません。

ダークテトラッドを持つ社員を辞めさせないと組織が腐る

以上がダークテトラッドを持つ人間の特徴です。

これらの性格傾向を持っているからと必ずしも、悪い形で表出するわけではありませんが、もし社内で悪意のある行動をしているなら早く辞めさせたほうが良いでしょう。

ほとんどが生まれ持った脳の性質であるため、教育してどうにかなるものではないのです。

放置していると他の社員のストレスや不安、怒りが大きくなるだけです。

そして組織全体がダメになります。特に社員数の少ない中小企業では1人が全体に与える影響は大きなものです。

ダークテトラッドを持つタイプに限らず、組織に悪影響をもたらす社員は、証拠を集めてさっさと辞めさせなければなりません。

サイコパスは天才でないどころか平均よりIQが低い

今回、紹介したダークテトラッドの中でも、サイコパスについては天才という噂を聞いたことがある人も多いでしょう。

確かに医者、弁護士、経営者の中にいるサイコパスの割合は一般のそれよりも高いという調査結果はあります。

昔に行われた調査でもサイコパスのIQ(知能指数)は平均より高いという結果が出ていました。しかしそれは社会的階級の高い人間を対象に行われたものだったのです。

近年、セントルイス大学がサイコパスの知能に関する100本近い論文を分析したところ、サイコパスのIQは一般の平均より低いということが分かっています。

ではなぜサイコパスは天才という思い込みを持っている人が多いのでしょうか?

それは『羊たちの沈黙』という映画の影響です。

この映画に登場する殺人鬼のハンニバル・レクター博士が天才的なサイコパスとして描かれていたためにそのイメージが広まってしまったのです。

サイコパスは天才という誤ったイメージが拡散している現象を「ハンニバル・レクター神話」といいます。

それ以降に製作される映画もサイコパスを天才として描くことが多いので余計にそのイメージが広まっているのです。

つまりサイコパスの社員に期待しても失望する可能性のほうが高いということです。

共感や罪悪感を持っていないので繰り返す

100人に1~3人はいるのですから当然ですが、ダークテトラッドは自社内の社員に限らず取引先にもいます。

不義理を働いておきながら、何事もなかったように接してくる人間などはそうです。

支払うべき料金をしらばっくれるなどもそうです。

そういう人間と接しているとあなたは非常にイライラしますが、相手は何も感じていないのです。

彼らは共感や罪悪感を持っていないのです。だから同じことを繰り返すのです。

ダークテトラッドという性格傾向があると知っていると、採用や新規取引の際に失敗するリスクを下げられると思います。

経営者としては、ぜひ頭の片隅に置いておいてほしい知識です。

参考文献:Olga Sanchez de Ribera,et al.(2017).On the relationship between psychopathy and general intelligence: A meta-analytic review.

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